フッと笑いながら、今度は人差し指でわたしの唇をそっとなぞってくる。


「先輩はダメな子だね。
俺みたいなやつと2人っきりなるなんて」


「っ、」


「ここは誰も来ないし、どれだけ泣き叫んでも俺のしたい放題にできちゃうわけだ」


悪いことをしているくせに可愛い顔で笑いながら、胸元のリボンがシュルッほどかれた。



「や、やめて……っ」


必死に声を出すけど、大声どころか情けない声しか出ない。



「んー、じゃあ俺と付き合ってくれる?」


「それは……無理だって……」



「じゃあやめない」


ボタンがひとつ、ふたつと外されて、そのまま葉月くんが首筋に顔を埋めながら。



「このまま噛みついたら紅く綺麗に跡残るだろうね。それを三崎先輩に見られたらなんて言い訳する?」


クスッと笑いながら話す声にゾクっとして。


どうしたらいいのか、ギュッと目をつぶって、身体を強張らせていると……。




……ガタッと


聞こえるはずのない音が聞こえた━━。