「はい、これ」
「……え?」
そう言って渡されたのは先程、彼女のために買ったプレゼントだった。
どういうこと……?
理解が追い付いていないんだけど。
「美蓮、もうすぐ誕生日でしょ」
「覚えてたの……?」
てっきり、忘れられているのかと思っていた。
「当たり前じゃん。美蓮の誕生日を俺が忘れるわけない」
そんなの期待してしまうからやめてよ。
わたしのことなんて好きじゃないくせに。
「でも……シュシュだってもらったし、それに彼女の誕生日プレゼントが……」
彼女のプレゼントを選ぶために出掛けて購入したものはわたしにくれたシュシュとネックレスだけだった。
彼女へのプレゼントがなくなっちゃうよ?
「バーカ。最初から美蓮にあげるつもりに決まってるじゃん。だから美蓮がもらってくれないと無駄になるんだけど」
「え!?そうなの!?」
「うん」
だから、わたしならどれがいいって聞いてきたり、わたしが選んだものを即決で買ったりしたんだ。