「今日はありがと。おかげでいい買い物ができた」
「彼女、喜んでくれるといいね」
無事にプレゼントも買えたし、良い時間にもなったので二人で家までの帰り道をのんびり歩く。
楽しかったはずなのに、彼女のためだったと思うと胸が苦しくなって泣きそうになるから視線を落としたまま、ユウの方を見ることができない。
どう頑張ったってわたしはユウの彼女として見てもらえることはないんだって思い知らされた気がする。
いよいよ、諦めないといけないのかなあ。
なんて思っていると、
「美蓮、こっち向いて」
横から柔らかい声が聞えてきてそちらに視線を向けると、ユウがとんでもないくらい甘い顔をして笑っていた。
「な、なに……?」
たったそれだけで脈が速くなる。
わたしの恋に脈なんてあるわけないのに。