「いや……ユウがそんなの調べるって珍しいなって」

「美蓮が喜んで美味しそうに甘いの頬張ってるとこ見るためなら俺だって調べるよ」


頬杖をついて、まだムスッとしている。

予想外の言葉にわたしの鼓動はいとも簡単に音を立てていく。


「そういうのは彼女にしてあげないと」

「美蓮にしかそういうことする気になんない」


またわたしだけ特別みたいな言い方をする。

何にも特別なんかじゃないのに。


「ほんと意味わかんない」

「で、何にするの。どうせこの抹茶パンケーキでしょ」


トントン、とメニューを叩きながら言った言葉にコクリと頷いた。

幼なじみだからなのか、好みまでバレてしまっているなんて悔しい。

彼女のことは知ろうとしないくせにどうしてわたしだけ覚えてくれているんだろう。

まあ、全部……幼なじみだからだよね。


それからユウがわたしのパンケーキとカフェオレと自分が飲むアイスコーヒーを注文してくれた。