「昨日、家来た時に言おうと思ってたのに来なかったから」
「そういうのはね、メッセージでも言えるでしょ」
「だって、直接言いたいじゃん。デートしよって」
「なっ……」
この天然タラシ……。
デートっていうか、彼女のために連れ出されただけで良いように言わないでよ。
「パンケーキでも食べる?美蓮が好きそうなのあるらしいよ」
そう言いながらメニューを開いてわたしに見せてくれる。
「らしいって誰かから聞いたの?」
もしかして彼女だったりする……?
「んー、調べたら出てきた」
「え?」
「なに。その反応」
不貞腐れたようにわたしを見ているユウ。
だけど、わたしはそれどころじゃない。
だって、あのめんどくさがり屋で有名なユウがわざわざ自分で調べるなんて信じられない。
なんのために調べたんだろう。彼女のためかな?