わかってるよ。わたしだって。

この気持ちが報われないことくらい。

それでも好きなんだよ。


「嘘だって。美蓮にはこれがいいかな」


先程までの意地悪な笑顔とは打って変わり、愛おしいものをみるかのように柔らかく目を細めて、わたしに合わせてきたのは少し大きめのリボンの部分に金具がついていて、リボンの縁が白いパステルピンクのシュシュだった。

それはわたしの好みを完全に理解している彼だからこそ選べたもので、つい頬が緩んでしまう。


「な、なんでこれ……」


ここでも素直に嬉しいと言えないわたし。

こんなんだからいつまでも彼女にしてもらえないんだよ。


「美蓮、いつも学校行くときお団子にしてるでしょ。コレ付けたらもっと可愛くなると思って」


そんなところまで考えて選んでくれていたんだ。

ほら、こういうところがわたしの心を掴んで離さない理由。


「か、買わないよ」

「俺が買ってあげる」


そう言うと、さっさとレジまで行ってお会計を済ませてしまった。