「久しぶりだね。美蓮とこうして出掛けるの」

「そうだね」


ユウが彼女なんて作るからじゃん。

とは、言えない。

わたしにそんなことを言う権利はないから。

ユウが彼女を作る前や別れてから次の子と付き合うまでの期間は二人で放課後や休みの日に出掛けたりすることもあった。

最近は今の彼女と長く付き合っていることもあり、そんな機会はめっきり減っていたけど。

なんでまた突然、こんなこと。

でも……好きな人と出掛けられるのは正直嬉しい。
舞い上がる気持ちを抑えてショッピングモールへと向かった。





「美蓮なら何が欲しい?」

「……なんだろうね」


ショッピングモールに着いて、久しぶりに二人で出掛けることに少し舞い上がっていたわたしの心は一瞬にして地まで落とされた。

今日、わたしがここへ連れてこられたのは彼女がもうすぐ誕生日だから、だそう。

つまり、一緒にプレゼントを選んでほしいという残酷すぎるお願いだった。