物欲だってそんなにあるほうじゃないじゃん。
そんなことを思いながら隣を歩いているユウをチラリと盗み見る。
黒いスキニーを履いて、白いTシャツの上から少し大きめのベージュのケーブルニットのカーディガンを羽織っているユウはまるでモデルのようで胸がキュンと高鳴る。
萌え袖になっているところもキュンポイントの加算対象だ。
ユウの服装って、わたしのドタイプなんだよね。
毎回、わたし好みだから余計にドキドキしてしまう。
まあ、本人にもそれがバレているのかもしれないけど。
彼女ともこんなふうに並んで、デートしたりしているのかな。
手を繋いで歩けることが羨ましい。
こんな不毛な恋なんてやめてしまいたいのに、今だってさりげなく車道側を歩いてくれるところとか、わたしの歩幅に合わせて歩いてくれているのに気づいて好きだと思うからなかなかやめられない。