「デートって意味わかって言ってるの?」
「美蓮ほどバカじゃないからわかってるけど」
「なっ……!ユウにはデートする彼女がいるじゃん」
わたしじゃない可愛い彼女がいるんだから。
それなのになんでわたしなの?
「美蓮と出掛けるのに文句言ってくるような人は別にいらない」
当たり前かのように言い放ったユウ。
そこまで言い切るくせになんでわたしを彼女にしてくれないの?
幼なじみだから?
「意味わかんないよ」
「わかんなくていいから早く行くよ」
そう言うとユウはわたしの手を掴んでスタスタと歩いて家を出た。
家の外に出ると、すぐに手は離されてしまって彼の体温だけが残った手がジンジンと熱を帯びている。
一体、何考えてるんだろう。
ユウの頭の中を覗くことができたらこんなにも苦労していないのに。
「どこ行くの?」
「ショッピングモール」
「何しに?」
「なんでもいいでしょ」
普段、休みの日なんて寝ていることが多いのに何のためにショッピングモールなんて行くの。