愛のかたち

『こんにちは。』


『尾上。元気そうだな。』


『咲貴、こっちこいよ。』


玄関に入らず壁に隠れていたわたしの手を俊が引っ張った。


『孝浩くん、どういうこと??』


『咲貴ごめん、俺好きな子が出来たんだ。俺さ、お前が尾上と別れてからのお前の様子みて間違ったと思ってた。だから訂正する。こいつはきっとお前を幸せに出来るから別れないほうがよかった。だからやり直せよ、お前ら。』



嘘つき、嘘つき。

咲貴の女子高生ってのは最後だからって・・・

あんなに昨日きつく抱きしめて・・・

あんなに何度も何度もキスをして・・・

優しく抱いたのはこのためだったんでしょ?

泣きそうな顔も意味はわからなかったけど気付いてたんだから、実は。

好きな子なんていないくせに。

いつもすぐ帰ってくるし。


『孝浩くん・・・わたしは・・・』


『咲貴、俺はお前が邪魔なんだ。悪いけど出ていってくれ。頼む。』


そう言って後ろを向いた。

俊は黙って紙袋に3つほど入ったわたしの化粧品や服などを車に運びに行った。



『孝浩くん・・・肩、震えてるよ。』


『━━・・・っ。』


『孝浩くん、こっち見てよ。』


『早く行け。もう行け!!もう・・俺の前に姿現さないでくれ。』


声を震わせながら大きな声を出され、わたしはビクッとした。


『咲貴、幸せに・・・なれよ。雑誌、思い出になってよかった。』


そう言ってわたしのいる位置から見えないところに孝浩くんは移動した。


『孝浩くん・・・・孝浩くんと出会えてほんとによかった。ほんとに好きだった。ごめんね、ほんとに。ありがとう、ほんとに。』


わたしも声が震える。

孝浩くんの優しさ、想いが胸を打つから。

涙が止まらない。