姉さんが管を抜いてから、姉さんは喋らなくなった。
俺に医学知識はない。でも、姉さんが旅立とうとしているのは分かった。
後、2日。
「姉さん。」俺は姉さんにまだ、居て欲しくて、手をさする。そんな事、無意味なのは分かっている。
姉さんの手足にはもう感覚がない事も全部…
俺は、手をさすりながら泣いた。
姉さんの方を見ると、俺の方を向いていた。
「姉さん。」俺は言った。
姉さんは涙をスッと流すだけだった…