沙月のせいで死人がでた。


サッカー部の2人だって復帰できるかどうかわからない。


それなのに、どうしてこんな風に笑っていられるのだろう。


「なんでそんなことしたの!?」


悲痛な声を上げたのは美世だった。


あたしたち3人の中で洗脳されていないのは、美世1人だ。


その、美世の目には涙が浮かんでいる。


「だって、あたしのためにアプリを使う男子たちが沢山いるはずだもん」


沙月は泣いている美世を見てもなにも感じていない様子で、ケロッとしている。


「みんなあたしのことを遠目から見るだけで、喜ばせるようなことをなにもしてくれなかったでしょ? そういうの嫌だったんだよね。あたしのこと置物だとでも思ってるのかな?」


「そんな……ただ、それだけで?」


震える声でそう言った。


「そうだよ?」


「そのせいでみんなが危険な目にあってるのに!?」


「そう言われても、仕方ないよね?」


仕方ない……?


たったそれだけで済ませるつもりだろうか?