「あのアプリを使うと洗脳される。それは、ナツキが教えてくれたんだよ」


「ナツキ?」


美世が眉を寄せてそう言った。


聞いたことのない名前だった。


「イジメっ子を殺して自分も死んだ隣町の子」


そう言われて、あたしは目を見開いた。


「あの子あたしの友達で、よく相談に乗ってあげてたの。アプリはナツキ自身が勝手にダウンロードしてたけど、見ているうちにどんどん様子が変わって行った」


「もしかして、想みたいになった?」


恐る恐るそう聞いたのは佑里香だ。


「そうだよ。アプリに質問をして、イジメっ子を懲らしめるようになった。それは悪いことじゃないと思ってたけど……最終的にアプリはイジメっ子を殺すように指示を出した。


まさか、それまで実行するなんて思ってなかったし、アプリに言われたからって人を殺すような人いないでしょ? それなのに、ナツキは実行した」