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沙月は元々アプリの危険性を知っていた。


その上であたしたちにダウンロードさせたのだ。


きっと、クラス中がアプリの洗脳状態になることだって予測していたはずだ。


沙月自身は一旦アプリをダウンロードしてあたし達に紹介し、その後すぐに消せば問題ない。


「ちょっと、どういうこと?」


あたしは昌一から聞いた話を美世と佑里香の2人に説明し、放課後になってから沙月を校舎裏へと呼び出した。


「なにが?」


余裕の表情で首をかしげてそう聞いてくる沙月。


「お役立ちアプリのことだよ! 危険なものだって全部知ってたんでしょう!?」


「なぁんだ、バレたんだ? まぁ、今更バレてももう遅いと思うけど」


沙月はそう言い、おかしそうな笑い声を上げた。