その言葉にあたしは沙月へと顔を向けた。


沙月は、相変わらず男子生徒たちに囲まれて談笑している。


どういうこと……?


あたしは沙月にアプリを教えてもらったのに。


「まさか、沙月と2人で外を歩いてたのって……」


「あぁ。クラス中に広まったアプリについて話しをしてたんだ。正常な判断ができる人がいなくなるから、絶対にダウンロードしないでって」


「ちょっと待ってよ。沙月はアプリをダウンロードしてるよね?」


そう言うと、昌一は首をかしげてあたしを見つめた。


「するわけないだろ?」


その言葉が、何重にもなって聞こえて来たのだった。