「あれ……」



立花さんであろう人が木下さんの後ろにいるあたしに目を向ける。



「おかしなことがあったから連れてきたの」


「……は?」



立花さんの顔は明らかに困惑してる。

入院先の病院にいきなり知らない女を連れてきたら誰だって困惑するだろう。

立花さんは多分だけど、相当モテると思う。
今、一目みただけだけどそれが分かるぐらいに切れ長の目に通った鼻筋で顔がどこからどう見ても整っていた。



「立花くん、誰かにうちの会社のFacebookのログイン情報教えた?」


「え?教えるわけないじゃん。お前俺がなんで教えてないかもわかってんだろ」



少し顔を赤らめる立花さん。



「じゃあやっぱり立花くんなのかな」


「メッセージ?」



分かりきっていたかのようにそう言ったあと、あたしに目をむける。



「Tさんですか……?」


「全然わかんないんだけどね、夢の中の出来事だと思ってたから」


「……え?」



あたし達の現実世界で起きてることを彼は夢だと思ったという。