「どうかしました?」



木下さんの様子が普通ではない気がしたから気になってしまう。



「このページは立花(たちばな)くんしかパスワードも知らないから入れないのよね……」



木下さんの言葉になんだか胸が踊った。


〝立花くん〟の文字にTがはいっていたから。



「でも、さっき人事課にはいませんでしたよね?他の課なんですか?」



人事課と言ってたはずなのに紹介された中にはいなかったような気がする。



「うん、立花くん入院してるから」


「……入院?」


「交通事故でね……でも、おかしいのよね」



木下さんが〝うーん〟とかんがえこむ。



「木下さん?」


「立花くん、意識不明だったの。篠崎さんたちもきていた、ドームの合同企業説明会の帰りに事故っちゃって」


「え!?」



じゃあ、あたしがメッセージをやり取りしていたのは誰なのだろうか。



「……それに意識が戻ったのが篠崎さんに採用連絡をした次の日だからメッセージをしてた間はまだだわ」



あたしのスマホでメッセンジャーを確認しながら話す。