「篠崎美咲さんでしょ?」



あたしの名前を口にする。



「はい、あた…「あっ!」



あたしの言葉を木下さんが突然遮る。



「そうだ!どこかで聞いたことある名前だと思った!」


「え?」



突然の木下さんの発言に少し面食らう。



「頼むからそれ以上は言うな」



そう口にする立花さんはますます顔が赤くなっていた。



「立花くん真っ赤!」



それをみて木下さんはゲラゲラ笑ってる。



「あ、あの……」



何が起こってるのかわからなくてタジタジになってしまう。



「あたし用事あるから帰るね!篠崎さんはもう少しこいつといてやってよ!」



時計を見たと思うと、それだけ言ってカバンを持って病室からバタバタと走っていく。



「嵐みたい……」


「あいつ、いつもだよ」



ふっと笑う。



「……あの、あたしにメッセージくれてた間は意識不明だったときいたんですけど」



そんな状態であたしにメッセージなんて送れるはずがない。