先輩っていう響きも、悪くないかもしれない。



だけど。



いま、みーくんと呼んだのは……幼なじみの、あたたかな笑顔があったから。



「みーくん……っ」



駆け寄る。ごめんね、自分勝手な幼なじみで。



大変だよね。こんなの。



「みーくんが、他の女の子と喋ってるとすっごく胸が苦しくなるんだ……」



だけど、本音は止まらない。苦しい。苦しい。



「莉音、もしかして、嫉妬してる?」



みーくんの言葉に、ハッとする。



私、嫉妬してるの?



誰かに嫉妬しちゃうくらい、私は、みーくんのことが好きなんだ……。



少し、嬉しそうな顔をした彼。



その表情のすべてが、愛おしい。



……伝えなきゃ。