あれから1週間後。体験入部の次の日に行われた部活登録で俺は正式に世界部に入った。俺は、先輩の授業もあって少しずつ地理が得意になっていた。

地理の授業中、地理の担当の先生は俺の席へ近寄ってくると俺に「綾瀬、ノルウェーって知ってる?」と問いかけてきた。

なぜ、ノルウェーの話が出てきたのか不思議で仕方ない。

「知ってます。北欧にある高福祉の国で首都はオスロですよね?」

「うむ…勉強したんだね。この間はわけが分からないって顔をしていたのに…じゃあ、スウェーデンは?」

「北ヨーロッパにある国で首都はストックホルム!」

俺が答えると、地理の先生は「すごい!」とほめてくれた。その言葉がとても嬉しくて俺は笑った。

……楽しい。勉強ってこんなに楽しかったっけ?

「スパシーバ!」

ロシア語でありがとうと言うと、先生を含めたクラスメイトは驚いた。

「…ど、どういう意味なの?」

「ロシア語でありがとうって意味なんだ」

クラスメイトの問いかけに俺はそう説明した。