「あーんフライング!」

「んぐ・・・・・・っ。ごめんねすみれ。なんか集中してたみたいだから」

口に入ってた分を飲み込んで、謝罪の言葉を述べるなのは

まあ、そこまで怒ってないからいいけどねっ

「あたしも食べる〜」

急いでお弁当の蓋もろもろを開けると、そこにはお母さんが作ったおかずの数々が顔を見せた

お母さんは絶対に冷凍食品を使わず、自分が作ったものしか入れない

それがとても美味しいのだ

今日も美味

「おいひぃー」

「すみれ、口にケチャップついてるよ」

「えっ、まじ?」

なのはに指摘されて、スクランブルエッグに載っかってたケチャップがついちゃったのかと思い、慌てる

「待ってね、今取るよ」

制服のポケットに入っていたティッシュから一組とり、前のめりになって机を覆う形であたしの口元を拭ってくれる

一度姿勢を元に戻し、満足そうな顔で頷いた

「はい、綺麗になったよ」

「ありがと!」

「どういたしまして」

ティッシュを綺麗に折りたたみ、ゴミ箱に捨てに行くなのは

うん・・・・・・いいお嫁さんになるよ

ま、今はあたしのものだけどねぇ?

なのはが戻ってきたところで、食事続行

数学の先生がうるさいだの、今度一緒に買い物に行こうだの、なのはと二人きりの会話をしながら食べ進める

あの日から、なのははあたしの宝物だ

幼い頃、ぼっちだったあたしに、唯一声をかけてくれた女の子、それがなのは

だからあたしにとって、なのはは唯一無二の親友