無機質なコンクリートの建物。果てしなく長い廊下の端に立っている自身。もう片端から彼が現れる。


彼は全身黒ずくめ。黒のロングコートに皮手袋、帽子。窓ガラスから差し込む神々しい程の光。逆光で顔は見えない。



彼。



は、俺と認識するなり銃を構え躊躇する事なく引き金を引く。



スローモーション。



空気を切り裂く弾はゆっくりと眼前に近づき、そして確実に額を撃ち抜く。



倒れた俺の視界にはただのっぺらした天井が広がり、満足げに薄ら笑いを浮かべる。



そこで放送終了後の砂嵐の如く思考はプツンと途切れる。