_______食堂が近づいてゆくにつれ、周りも混雑した電車内みたいになっていく。


 というのも、可愛い親切な輝くんが、



 「きゃーーー!!輝くーん!」


 「輝くん、かーわーいーいー!」



 モテすぎるのだ。いや、この可愛さなら納得だけど。


 どっからそんな高い声出してるんだろうって疑問に思うほど、耳にキーキーと響いて不快だった。


 ここは男子校だから、輝くんみたいに可愛い身なりをしている子が余計可愛くみえてしまうんだろう。


 相手が男子だと分かっていても、こうやって叫ばざるをえなくなるのかもしれない。


 ・・・私にはよく分からない感情だ。



 「黎くん、大丈夫?」


 「うん、大丈夫だよ。輝くんこそ大丈夫?」


 「・・・あー僕はその、慣れてるから・・・全然大丈夫だよ」