夏休みに入って八月最初の日曜日。今日はオープンキャンパス。
大学構内はとても賑わっていた。
同じ柄のTシャツを着た大学生たちが、あちらこちらでプラカードを見せたり、ビラを配ったりしている。
その大学生たちの間を、少し緊張した足取りで高校生たちが歩いていく。
彼らに話しかけるのと同じように、大学生たちが私にも声をかけてくる。
それらを交わしながら進んでいくうちに、どんどん人は増えていく。
ここに来たのを後悔したけれど、来た道を戻るのは億劫だったし、私は大学以外に行くところもなかった。
打楽器や管楽器によるマーチングソングが遠くから聞こえてくる。
そして音の源である中央広場までたどり着けば、真夏の暑さに負けないくらいの熱気を帯びた空間が私を待ち受けていた。
熱気の中心には長袖学ラン姿の男子大学生と煌びやかなボンボンを持ったチアリーダーの女子大学生たち。
彼らは吹奏楽のマーチングソングに合わせて大学名を連呼しながら手を振り上げている。
楽しそうに眺める高校生たちはみんな、未来への期待と希望の光が宿っているようだった。
私はその集団を見ているのが辛くなり、逃げるように講堂の中へと入っていった。
だけど講堂の中も人が列をなしていて、げんなりしてしまう。
今日、大学に来たのは失敗したかな……。
小さくため息が零れたそのとき。
大学構内はとても賑わっていた。
同じ柄のTシャツを着た大学生たちが、あちらこちらでプラカードを見せたり、ビラを配ったりしている。
その大学生たちの間を、少し緊張した足取りで高校生たちが歩いていく。
彼らに話しかけるのと同じように、大学生たちが私にも声をかけてくる。
それらを交わしながら進んでいくうちに、どんどん人は増えていく。
ここに来たのを後悔したけれど、来た道を戻るのは億劫だったし、私は大学以外に行くところもなかった。
打楽器や管楽器によるマーチングソングが遠くから聞こえてくる。
そして音の源である中央広場までたどり着けば、真夏の暑さに負けないくらいの熱気を帯びた空間が私を待ち受けていた。
熱気の中心には長袖学ラン姿の男子大学生と煌びやかなボンボンを持ったチアリーダーの女子大学生たち。
彼らは吹奏楽のマーチングソングに合わせて大学名を連呼しながら手を振り上げている。
楽しそうに眺める高校生たちはみんな、未来への期待と希望の光が宿っているようだった。
私はその集団を見ているのが辛くなり、逃げるように講堂の中へと入っていった。
だけど講堂の中も人が列をなしていて、げんなりしてしまう。
今日、大学に来たのは失敗したかな……。
小さくため息が零れたそのとき。