文化祭1日目。
お兄ちゃんが車に保冷剤の詰まった箱菓子を積んで学校まで運んでくれた。

五つ上の大学生の兄は、妹の私から見てもかっこいい。
教室まで一緒に運んでくれた兄にクラスの女子たちは大騒ぎだ。

そこへちょうど登校してきた虎太朗
が、笑顔を浮かべ近づいてきた。
「お久しぶりです、惣にぃちゃん」

「えっ!?おっ!!その懐かしい呼び方、、、虎太朗!?まじか!やべー!母ちゃん言ってたとうりマジイケメンに成長してんじゃねぇか!」

お兄ちゃんがバシバシ虎太朗の肩をたたく。
「で、葵と付き合ってんだって?
いいの?葵なんかで。」
「俺が昔から葵大好きなの知ってるでしょ惣にぃちゃん。で、惣にぃちゃんも葵が大好きでしょ?(笑)大丈夫。葵泣かしませんから。安心してください」
「…今日のフラダンス踊る葵は半端なく可愛いからな。手ぇだすなよ?」

「それは約束できませんね。責任はとるつもりなんで我慢しないで手だしますよ?俺。まぁ葵が嫌がることはしませんから。」

そう言って妖艶に笑う虎太朗に私は真っ赤になり、兄はくつくつ笑うと
「あんまりいじめんなよ、俺の可愛い妹なんだから」

そういいながらも目だけは笑っていなかった。

「じゃ葵。頑張れよ。」

「ありがとう!お兄ちゃん」
「虎太朗、葵今日ほとんど寝てないから、帰り頼むぞ。
じゃあみんな頑張れよ!文化祭楽しめよ」

お兄ちゃんはみんなに手を振って帰っていった。