「あ、誰か着替え中・・・あーもしかして美桜さんですか?偶然ですね~俺も今来たんですよ!」

元気な男の子の声が聞こえた。
誰かと勘違いしているようだ。。
違うと言おうとしてもその男の子のマシンガントークが続いた。

「いやーバックヤードで二人のことってあんまりないから緊張しちゃうなー。あ、着替えゆっくりで良いですよ!」

「あの。。」

「あ、終わりました!?」

・・・・・・

「・・・・誰!?」

「いや、こっちが聞きたいですよ!」

ーコンコンー

「あら?光くんおはよう。」

「あ、おはようございます!美桜さん!」

「そちらはーあ、お兄ちゃんが話していた新人さんかしら?」

「はい!佐藤望花といいます。よろしくお願いします!」

「新人さん・・・。」 

「光くん、先に更衣室どうぞ?」

「あぁ、いえ、ぜひ美桜さんお先に!」

「そ、そう?じゃあ。。」

美桜さんと呼ばれた綺麗な女の人が更衣室に入った瞬間、光くんと呼ばれていた男の子に腕を捕まれた。

「ちょっ、ちょっとー佐藤望花さん?」

「は、はい?」

フルネームをすぐに覚えられてすごいなぁーそんなことを思った。

「さっきのこと忘れてくれない?」

「?えっとー美桜さんと勘違いしたことですか?」

「いや、それもなんだけどー」

「あー光さんもしかして。。」

「光くん」

「わぁ~」

「きゃー」

声に驚いて私まで叫んでしまった。

「あ、ごめんなさい。何か話してた?」

「いえ、全然!」

「やっぱり先にどうぞ?今日隼人さんが新メニューのことで話があるそうで、私は昨日聞いたから。」

「あ、いや、でもー」

「?遠慮しないで?」

「あ、ありがとうございまーす!」

バタンッ!ガチャ

急いで更衣室に入っていった光と呼ばれてた男の子。

「あ、望花ちゃん。準備できたらホールのお兄ちゃ、オーナーのところへ向かってね。」

「はい、分かりました!」

元気に返事をし、髪を整えホールへと向かった。