シンがいなくなったリビングでは二人が話していた。
「ロン様、あの方は従者ではないんですか?
ロン様に敬語を使っていないようでしたが…。」
「あぁ、あの子は家族だよ。
もちろん血は繋がっていないがな。」
ロンは愛おしいものを見るような目をした。
「あ、申し訳ありません。
大切な方とは知らず従者などと。」
「いや、構わんよ。
私の事を知っていたらそう思っても仕方ない。
それに、それくらいで怒るのはこの家には居らぬよ。」
「…っ、」
ファミリアはその言葉を聞き俯いた。
「君は王家のものだね。
何故ここへ?」
ロンが聞く。
だが、ファミリアは言いにくそうに口をパクパクしている。
「あぁ、言いづらいか。
…まぁあれだ。
我々に危害を加えないのなら、
ここには好きなだけいたらいい。」
「…っ、お心遣い感謝致します。」