「ごめんなさい!ごめんなさい!

怪しいものじゃないんです!

迷ったらいつの間にかここに来てしまって!

怪我も治してもらったのに盗み見してしまってすみません!」


女の子は一息にそう言いロンに向け頭を下げた。


「あの、ごめんなさい。

私危害を加えるつもりないんです…。

まさかここが伝説のロン様の家とは思わなくて…。」


女の子はうるうるとした目でロンを見た。


「ロン、伝説って…。」


「オホンッ!アーアー…そうだな、危害を加えないのならいい。

腹は減っていないか。これを食べろ。お前の分だ。」


ロンはシンの言葉を遮り女の子に話しかけた。


「え!いいのですか?!

まさかロン様にお食事を貰えるとは!

ありがとうございます!」


女の子はそう言うと、凄い勢いでご飯を食べ始めた。

相当お腹がすいていたのだろう。

頬に付くご飯などお構いなしにどんどん食べていく。


「ロン、後で話聞くから。」


「うっ、いや、その、若気の至りというもので…」


ロンはまだ何か言っていたがシンはそれを無視し、

自分達の食べ終わった食器を洗い出した。


「…ご馳走様でした!

すごく美味しかったです!」


女の子は満足そうにお腹を擦る。

のんびりとしたのもつかの間、

女の子はハッとしてロンに向き直った。