全員がリビングに集まり、自己紹介をする。


「僕レン!よろしくねお姉ちゃん!」


「シンです。よろしく。」


「リンです。よろしくね。」


「ロンだ。」


「ファミリアと申します。よろしくお願い致します。」


「よし!じゃあ次はボールね!」


「ん、レン来い。」


ロンとレンがボールで遊び出した。


「あの、先程はありがとうございました。

それに私の怪我もシン様が治してくださったとか、

本当にありがとうございます。」


ファミリアが丁寧にシンにお礼を言う。


「いや、それ程でもないよ。

ていうかもう体は大丈夫?

どこか痛かったら言ってね。」


「体はもう大丈夫です!

本当にありがとうございます!」


シンは頷き、言葉を続けた。


「それと、敬語はいらないよ。

ここには上も下もないんだから。」


「え、ですが…、」


「お嬢さん、シンの言う通りだよ。

ここでは気を楽にしなさい。

ここには身分も権力も何もない、

動物と人間と自然だけだよ。」


困惑しているファミリアにリンが言うと、

ファミリアはうんと頷いた。


「…はい!あ、いえ、…うん!」


ファミリアは笑顔で返事をした。


「うん。じゃあ私はレンの所に行くわね。」


「じゃあ私も…」


「あ、待って、」


行こうとするファミリアをシンが止めた。


「え?」


「あー、その。」


シンはファミリアに近づき耳元で小さく囁いた。


「髪にご飯粒が付いてる。」


「へ…?」


「そこに鏡あるから見て。

じゃあ俺は先にレンのとこ行ってるから。」


シンが離れた後、ファミリアの顔は真っ赤になった。