スラッとした高身長。冷たくて氷のような眼差しに、外国のモデルさんみたいに整った顔立ち。
姫宮志芳(ひめみやしよし)ちゃん。
ハーフアップでサイドの髪を三つ編みにして後ろで結んだおしゃれなヘアスタイルと、歩く度に人を魅了するような独特なオーラで、男子たちの目は(いつものように)志芳ちゃんに釘付けだ。
対して志芳ちゃんは無表情のまま席についた。
手には難しそうな文庫本。教室に入ってから席につくまでずっと読み続けている。
「おはようー! 志芳っ!
ねぇ、愛子の話きいてよぉー!」
愛子ちゃんを志芳ちゃんはシカトする。
「志芳ちゃん、おはよう」と私。
「おはよう希望」
志芳ちゃんは教室に来てはじめて口を開いて言う。
こんな私が志芳ちゃんと友達になれたのは、
本当に奇跡だと思う。
「もーっ!
なんで愛子は無視すんの!?」
「あら? いたの?
小さすぎて見えなかったわ」
「むかっー!
でも愛子、志芳のことはだ~い好き!」
「そう。私は大嫌い」
「(|| ゜Д゜)」
「冗談よ」