お父さんやお母さんにも確認した。けれど、その男の子のことは何一つ知らないのだ。


その他にも、男の子を知ってそうな人にはあたってみたけれど、やっぱりみんな“知らない”としか答えなかった。


小さい頃からの幼馴染みで、
ずっと側にいた大切な存在……。


それを誰も覚えていないなんておかしい。


もしかしてみんな、
知らないふりをしているだけなのだろうか?


いやでも……
じゃあ、どうしてそんなことを?


男の子の手がかりは、もうひとつある。


カチャ……。


いつも私は星の形をしたネックレスをつけている。


病院で入院しているとき、
男の子が私にくれたプレゼントだ。


星は半分がかけていて、もう半分の星がついたネックレスは、あの男の子がみにつけていた。


「希望と僕が離ればなれになっても、この星が僕たちを導いて引き合わせてくれる…」


男の子はそんなことを言っていた気がするけど……やっぱりこの記憶も、これ以上は何も思い出せない。


「だけど…」