第3章〈気になる存在〉
教室に戻り、席に座っていると先程の伊東との出来事が思い返され加奈実はまだ頭の整理を出来ないでいた。
一旦冷静になろうと頭を抱えていた時、後ろから慌てて心配そうな声が聞こえた。
夏菜「加奈実ちゃん!!大丈夫??朝礼の時姿見えなかったから心配してたんだよ。頭痛いなら本当に保健室行く??」
加奈実「夏菜ちゃん!大丈夫!さっきより落ち着いたんだけど頭少し痛くて!保健室行くまでじゃないから大丈夫!」
(夏菜ちゃん本気で心配してくれてるのにごめんね…)(心の声)
夏菜「…大丈夫そうないいんだけど…本当に無理しないでね!」
加奈実「うん、本当ありがとうね」
教室の前の扉からまたもや勢いよく担任の川瀬が現れ今後の授業について語りだした。
加奈実はもううわの空で話の内容が頭に入らなかった。
加奈実(無意識に顔近づけたのは悪かったかもしれないけど…何でキ…キスとかキスマークとか普通つける?!も〜…恥ずかしいよ…本当に恥ずかし過ぎて次顔合わせられないよ…伊東くん目も合わせずその後普通に教室に行っちゃうし…ん?…あっ…そういえば伊東君の眼…あの時…少し赤くなってた…なんでだろう…)(心の声)
加奈実はぐるぐる考えているとあっという間に時間は過ぎ午前の授業を終えるチャイムが鳴り響いた。周りが帰り支度を始め教室を去る姿をぼーっと見渡していると夏菜が笑いながら今日は午前中だけで部活がない人は帰ってもいいと説明してくれた。
話を聞いてなかった加奈実は赤面し、夏菜に感謝を述べて自分も周りと同じく帰り支度し帰ろうとした時教卓の方から大きな声で加奈実の名前が呼ばれた。
担任川瀬「おーい!!今日転校してきた加藤っているかー!話があるから俺のとこにきてくれー!」
夏菜「まったく。相変わらず大きな声でうるさいなー転校生誰だかぐらい把握しなさいよね。加奈実呼ばれてるから行ってきなよ。私予備校あるから先に帰るわまた明日ね!」
加奈実「うん!また明日!」
担任川瀬「おーい!帰ったのかー加藤ー!俺も忙しい身だからいるなら早くこーい!」
加奈実「すいません!加藤は私です!」
加奈実は慌てて教卓いる担任川瀬のもとに駆け寄った。分からないことがあったら何でも言えと言われ一枚の紙を渡された。
紙を手に取って加奈実はなんの紙かと不思議に思い紙にかかれている内容を読むと内容は部活入部希望届と書いてあった。
川瀬は面倒くさそうに高校3年で受験に忙しから別に入らなくてもいいが希望があったら記入して提出と説明をし、部活に入るか入らないかはお前に任せると言い残し川瀬は教室から出て行った。
加奈実は再度入部希望届を見ると部活種類欄に男子バスケット部を見つけた。
加奈実(男子バスケット部…伊東くんが入ってる部活だ…さっき夏菜ちゃんが部活の人以外帰るって言ってたからもしかしたら体育館に伊東くんいるかもしれない…あんな事されたし顔合わせづらいけどバスケしてる伊東くんかっこいいだろうなぁ…)(心の声)
加奈実は体育館に行くか悩んだが伊東の姿を少し見て帰ればいいと思い帰り支度を済ませ体育館に急ぎ早く向かった。