「もぅ!うるさいー!これは何としてでもここを出なきゃ!行くよ!咲月ちゃん!!」

は?

米沢さんは腕を勢いよく引くと壁に突進していく。

どうにか廊下に出ると、2人男子を中心に大きな群れが出来ていて、その周りの女子はキャーキャー騒いでる。

「あーー!!!奏汰ーー!!!」

それを注意深く見ていた米沢さんが急に大きな声を出して人の名前を呼んだ。

その声は女子の奇声よりもでっかくて、一斉にみんなこちらを見た。

群がられている、2人の男子も当然こちらを見る。