「あ、あれはっ!直人が恥ずかしいこと言うから!」

どうだか〜と顔を見合わせて笑う私と美羽

「お前また告白なんかされたの?」
「わっっ!」
「色気のない驚き方だなおい」

そう言ってやれやれと顔をするこいつは、最近妙に突っかかってくる男子である

時田 廉(ときた れん)

先輩からも人気な、いわゆる爽やかイケメンなこの人は女子が放っておくわけもなくモテモテ
でも告白されても断っているらしい

「うるさいな…最後から湧いてくるな!」
「湧くってなんだよ、俺の事なんだと思ってんだよお前おばけかなんかか!」
「人間だろお前は!?」

そこまで言ってハッとする
おっといけない。またこいつに流れるところだった

「友達からとかなんなんだよ、男子と女子の友情とかいるか?!」
「相手がそれでいいんだからいいでしょ!実際わたしもああいう男子と話してみたかったし!」

たっく、時田はずっとうるさいんだから

「そう怒らないで、時田くん
今ななかは新しい恋を見つけてるんだから」

私の肩を持ってくれるのは嬉しいけど、美羽なんでそんなニヤニヤしてんの?

「ていうか友達呼んでるよ」

そう低い声でマニュキュアを塗りながら、時田をチラッと見るはる。
おぉはるか様…。

「お、おう」

どうやらその低音ボイスに若干びびったようで逃げるように友達のところに駆け寄っていく時田

てかおい、はるか
お前堂々とマニュキュア塗ってんじゃないわよ