でもその甘く柔らかな口調もグレースにはちっとも響かなかった。
大きく息を吐き、カーライル子爵の瞳を見つめたグレースの顔にはさっきまでの不安も、説得に流されかけていた自信のなさもない。
すぅっと息を吸ってはっきりと告げる。
「私は王子様に助けてもらうのを待っているだけのお姫様じゃありません!」
言った瞬間にやっと息が出来たように感じた。さっきまでカーライル子爵に一方的に説得されて追い詰められていた事に、ようやく気付いた。
言われた子爵はしばらく呆然としていたが、数秒後にはなんとか気持ちを持ち返したのだろ。姿勢を正して口を開いた。
「グレース、僕が失礼な事を言ったのなら……」
しかし、その言葉さえも遮られる。
大きく息を吐き、カーライル子爵の瞳を見つめたグレースの顔にはさっきまでの不安も、説得に流されかけていた自信のなさもない。
すぅっと息を吸ってはっきりと告げる。
「私は王子様に助けてもらうのを待っているだけのお姫様じゃありません!」
言った瞬間にやっと息が出来たように感じた。さっきまでカーライル子爵に一方的に説得されて追い詰められていた事に、ようやく気付いた。
言われた子爵はしばらく呆然としていたが、数秒後にはなんとか気持ちを持ち返したのだろ。姿勢を正して口を開いた。
「グレース、僕が失礼な事を言ったのなら……」
しかし、その言葉さえも遮られる。