「アイツと付き合っても香椎が傷つくよ?」

「そうかもしれないけど、そうじゃないかもしれないでしょ?とにかく立ち止まっていたくないから」
力強い真っ直ぐな目が俺を正面から見据えた。
「そっか。ならもう何も言わない。でも泣くようなことがあったら慰めてやるよ。俺も優しいんだからな?」

「ありがとう。
その時はこれ、ご馳走してね」
くすりと笑うと彼女はいちご牛乳を一気に飲みほした。


「アイツじゃハルをこえらんねぇよ…」
彼女の後ろ姿を見送りながら俺は小さくため息をついた。