ライブハウスでの非日常が生み出す幻想を

そのまま信じ込んでしまう人

その誰かも判らないあなたが

まるで俺の知り合いの様に

俺を待ち

俺を見かけると

俺の話で笑う

始めはそれがとても嫌だった

そんな様子に気がついたマネさんが

ようやく俺の移動に付き添ってくれる様になった

それでようやくそういう人達とも

上手に距離が取れるようになった

それでも

そんな人達が増えると

今度は小競り合いや小さなトラブルも生まれた

それだけはどうにもならなくて

そんな様子を見ていると

女ってそんなもんなのかなと

正直そういう目でしか見れなくて


でも愛果は違った

ライブも自分の力で来てくれる

本当は愛果には楽屋にも来て欲しいのに

他のライブに来た人達と一緒に

入場の列に並び

演奏が終わっても

楽屋には現れず帰ってしまうのだ


東京にきて

仕事で知り合った女性達は

楽屋まで押しかけてきて

まるで自分は特別だとでも

言うようなそぶりで

はしゃぎまわり

こちらの事情などおかまいなしで

自分の都合で帰っていく

仕事の関係でこれからも付き合って

いかなくてはいけないから

皆仕方なく彼女に付き合ってしまったのだった