こんな気持ち

勿論愛果には話したことはない

愛果はそんな事知らなくていい

彼女にはいつも笑顔でいてもらいたい

初めて愛果を見かけた

小さなライブハウス

楽しそうに演奏を見つめる愛果

その笑顔を作るのは

自分でいたい

愛果と一緒にいろんな音を

いつまでも楽しんでいたい

そう思っていたんだ

愛果と過ごした

あの名古屋での日々を

少しでも早く取り戻したかった


だから

愛果がやきもちを焼いた時

一瞬意味が全くわからなかった

むしろ

俺のこの気持ちが判らないことが

正直かなしかった

俺の頭の中で愛果以外の女性は

特に特別なものではない女性としてしか

存在しない

音楽仲間には勿論

女性と話したり興味をもったり

する奴もいるけど

愛果以上の存在なんて

何処にもいないから

ラジオの仕事やテレビの仕事をするようになって

仕事終わりに会場を出る時

入口で数人の女性が待ちかまえていたり

ライブ中にも演奏する俺に

手を伸ばそうとする女性もいる

実際

演奏後には興奮するのか

腕を掴み離さない娘もいる

そうされる度

正直少し怖く感じてしまうんだ