「神崎くん友達なんていっぱいいるでしょ」
私がため息混じりに言うと神崎くんはポカンとした表情で
「いないよ」
と答える
あんだけ人が集まってきてそうくるか
神崎くんは続けて話し出す
「一ノ瀬さんには友達に見える?あの子達が」
え、そう聞かれるとな・・・
あの子達ってあの女の子達のことだよね
女の子達は友達というより、恋した目で神崎くんを見ている
だから友達、というわけではないのかな
神崎くんもそれを分かってるんだ
「・・・ちょっと違うかな」
そう呟くと彼はニコッと笑い「でしょ?」と言い、自分の黒い携帯を鞄から取り出した