実咲は、テーブルの上に置いたままになっていたスマホを手に取る…

LINEの通知があった…

スライドさせる…と、先ほど別れた凪子からだった…


【私が、漆原さんのことを好きだったこと…

漆原さんに、黙ってて貰えませんか?

私、奥さまや漆原さんのことを壊すつもりはないのです。】

…というような内容だった。。


そのLINEの内容を読むと…、琢磨への怒りやイライラが湧き上がってくるような感覚がした…

「……っ」
《凪子さんは、こぅ言っているけど。。

彼女の気持ちも知らず…に、弄んで…あたしと結婚した…というコトにした…


漆原くんは、彼女が自分のことを好きだって言うの…、知っているのかな?!

知らないのかな…?


どちらにしても…

こんな可愛いくて、いい子の気持ちを踏みにじるようなこと…

許せるはずがなぃ~…っ!》


…が、そぅは言っても…。。

実咲に、何が出来るのか…? その、思考を巡らせても…一向に思いつきもしなかった…



✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


「うぅ~…ん。。」


マンションのダイニングルームで、ソファに腰掛け…クッションを抱き抱え…、テレビドラマを眺めていた実咲…


が。。


ドラマの内容は、頭に入ってこず…。。

それ所か、今朝の凪子の言葉ばかり…が、脳内を駆け巡っていた…


「……」
《凪子さんは、あたしと漆原くんが結婚している…と、思い込んでいるんだよね…?

そんなんじゃないのに…っ


でも~…。。
『結婚してないの! 偽装なんだよ…っ!』

…なんてこと。。

言えるはずがなぃ~…!!


【偽装結婚】を露見するワケにいかないんだから…

バレたら…、あたし、ここを出ていかなきゃいけないし…


…かと、言って…

彼女がこのまま…、何も知らないまま…漆原くんを好きでいるのって…可哀想…

凪子さんは、あたしと漆原くんが結婚している…と、思っているんだから…

彼女にとっては…
【不倫】?…をしているような心境なのかな…っ?!