「奈々ちゃんはさ、腐女子をやめようって思う?」


私は思わずそうたずねてしまっていた。


あの時の自分はどうすればよかったのかわからなかったから。


「わからない...かな?」


奈々ちゃんはとても複雑そうな顔をして言った。


きっと、奈々ちゃんは悩んでいる。


このまま嘘の自分として生きていくべきなのか、自分らしく生きていくべきなのか。


嘘の自分は腐女子をやめるということだと思う。


「そっか」


私は今、奈々ちゃんになんて声をかけるべき?


今、迷っている彼女になんて言ってあげるべきなんだろう。