女の子の名前は白鳥奈々。
どうやら東京の高校に通っている私と同い年の女子高生のようだ。
「奈々ちゃんって腐女子なの!?」
私は驚きのあまり大声で叫んでしまった。
「うん!」
私たちは今、BLフロアにいる。
なぜこのフロアに戻ってきたのかというと、奈々ちゃんに腐女子会で来ているということを話すと、そこにみんなが来ると言ったからだ。
「え、奈々ちゃんってどの漫画が好きなの?」
私たちは腐女子トークを続けていた。
「有名どころしか知らないんだけど、人気俳優同士のやつ!」
「おお!私も大好きなの!」
「そうなの!?」
奈々ちゃんのような純粋そうな子が結構過激な漫画が好きだということに驚いた。
「真琴ちゃんはどっち派なの?」
「私は受け派!黒髪、ツンデレ最高!」
「私もそうだよ!」
「奈々ちゃんも!?」
「しかもさ、この漫画って2巻から急激に絵が進化するじゃん?それに一冊につき3回から4回そういうシーンがあるでしょ?それがまた最高!」
「わかる!」
こんなにも大声で語っているというのに誰1人として私たちを変な目で見ていない。
みんな私たちの会話を嬉しそうに聞きながら通り過ぎて行く。
なんて素晴らしい場所なのだろう。