「いったいなあ!」



そう言って私が頭を抑えながら振り返ると、そこには花音が。





「うるさい」





そう言って花音は私だけを睨んだ。





「え......なんで私だけ?」




「声が廊下まで聞こえてるの」




ちょっと怒り気味の花音にののかは




「あ、ごめんね」




と言って申し訳なさそうな顔をした。




「ののかは悪くないよ」




そんなののかに花音は笑顔で首を振った。





「だからなんで私だけ?」





「会話に『!』が見えたよ」




花音はののかに笑いながら言った。





「え、無視?」





「貸してくれた漫画よかったよ!」





「いいよね、これ!」





「拘束系はいいね〜」





「他にも拘束系あるけど読む?」





「読みたい!」





今度は2人が私を置いて語り始めた。





「花音だって語尾に『!』いっぱいついてるし、声大きいじゃん」




話から外されいじけた私は小さな声でそうつぶやいた。





「は?」




あ、しまった聞こえてしまった!





「い、いえなんでもないです......」





花音に睨まれ、何も言えなくなる。





まさかあんな小さな声まで聞かれてしまっていたとは。




地獄耳だ。





というかなんで花音はいつも私にばっかり厳しいんだよぉ





「はぁ.....」





そう私がため息をつくと





キンコンカンコーン





と同時にチャイムが鳴った。





「昼休み終わっちゃったよ」





すると少しいじけている私に





「明日持ってくるから楽しみにしてて」





とののかは優しく言った。





「うん!」





ののかは本当に優しい。





「ありがとね」





「いいえ」





そうして私たちは自分たちの席に戻った。