「…………うぜぇ」
「その代わり禁煙キャンディ買ってやるから」
中学生のうちから煙草吸ってたら体悪くするし。
そもそもこんなのどこで手に入れたんだか…
「チッ」と奏太が舌打ちするけど、それを無視して眠っている壮を揺する。
「起きろー」
そう言っても全く反応がなく…
あまりにも子どもっぽい顔で寝てるから…無理矢理起こすのも可哀想な気がしてきた。
仕方ねぇから壮を背中に乗せて、おんぶする。
「送ってくから帰るか。先に壮の家教えてくんね?」
「……帰らねぇ」
「じゃあ俺ん家強制的に連れてくから」
「……あんた姫と暮らしてんだろ」
「今日は花莉いねぇ日だから」
「…フラれた?」
「…半同棲だからだし」
「……ふーん」
階段をおりて外に出れば、
「こんな時間までいたのか…」
呆れ顔でため息をつく竜二がいた。ちょうど今、車で倉庫に来たところみたいだ。