「今日は特別な」




連れてきたのは2階。
普段は幹部以上の人間じゃねぇと入れねぇ決まり。





俺は冷蔵庫の中から冷えピタを取り出して、ハサミで半分にカットした。




「奏太、そこ座れ」




ソファを指さすけど、言うことなんて聞いてくれない奏太。
仕方ねぇから無理矢理座らせた。





赤くなって腫れてる奏太の右頬にカットした冷えピタをぺたりと貼る。





「喧嘩勝った?」


「……うぜぇ」




ムスッとした表情になる奏太。一方で壮は二人がけのソファに寝っ転がって、すぐに眠ってしまったようだ。









「これは没収な」




壮の胸ポケットに入っていた四角い箱とライターをするりととって、自分のポケットにしまった。

四角い箱は煙草。






ぎゅっと自分のズボンのポケットを握りしめる奏太。
すっげぇわかりやすい反応……




「奏太、お前のも出せ」


「………うぜぇ」




今、奏太が握りしめてるポケットの中に煙草が入っているんだろう。





「早く出さねぇと……お前の嫌いなピーマン食わせるぞ」


「…………」




俺は知ってる。お前がピーマンが嫌いだってことを。
歓迎会の食事会の時に見たんだ。お前がピーマンだけをよけて食べているのを…