言わなくなった。

朝ごはんをゆっくり食べ、スキーウェアに

着替えて外へ出た。

「やっぱ、寒いよ…」

外は雪が降っていて、深いところは膝まで

雪が積もっていた。

「藤井!ちょっとおいで」

ふと、大倉先生に呼ばれた。

「何?先生」

大倉先生の方へ駆け寄った。

「ちょっと後ろ向いて。ゴーグル付けて
あげる」

先生の手にはゴーグル。

みんな慣れた手つきで付けていた。

「あ、ありがとうございます…」