「今日のこっちゃん変だよ?」

「……そう?」

「何かあったんでしょ?」

「別に……」


この人に気付かれちゃいけない……。

今私が考えてる本当の思いなんて……。

「あっくん!向こうにトラがいるよ。行こうよ!」


「ああ……」

私は迷いを吹き飛ばすように、わざと明るく振舞った。


あっくんとのデートを選んだ以上、今は楽しむしかない。

これ以上彼を傷付けてはいけないから……。


「あっくん、見て!可愛いね」

「そうだな」