「神谷くんだっけ?会えたんだね」
「うん、付いてきてくれてありがとう!」
「ん、それより何もされなかった?」
「え?されてないされてない!
神谷くんそんな危険な人じゃないよー」
本当に心配してる様子の七瀬くんの肩をバシバシ叩く。金髪で見た目は怖そうな彼だけど、純粋で優しいのだ。
さっき仲良くなろうと言われたことを思い出しニマニマしてしまう。
友達になれちゃったりするのかな?
それとも、もう友達と思っていいのかな?
いや、さすがにそれは図々しいか。
「なんでにやけてるの」
「へへ、神谷くんに仲良くなろうって言われたのが嬉しくて」
「え?……まさか連絡先とか交換したりした?」
「うん!」
勢いよく頷けば
「はぁ、こうなるのが嫌でついて行ったのに…」
大きなため息をつかれた。何か言っているようだけど声が小さくて聞こえない。
私、七瀬くんにため息つかれる回数多くない!?
「橘さん、家まで送るから手繋ご」
「え、やだよ」
「俺の努力を水の泡にしたんだから、拒否権なし」
「意味わかんないよ!」
結局家に着くまで私と七瀬くんの手を繋ぐか繋がないかの攻防戦が行われ
「……恋人、繋ぎ…」
「ん?なにか文句ある?」
「…いいえ何でもないです…」
私は負けたのだった。