言い返す言葉も無かった。
『みおちゃんのお父さんお母さんもあの人たちと同じだったんじゃないの!?』
『やだ~、あたしこわい~』
『もうみおちゃんと遊ばないもん!』
『そうだよ!みおちゃんの家もヤクザなんだ!』
『ちっ 違う! 私は、、、』
もうみんな聞く耳を持たなかった。
次の日から私と話してくれる人も、遊んでくれる人もいなくなってしまった。
今なら分かる。
あの事件の事をみんなが親に話したらどうなるか。
『もうその子とは関わらないようにしなさい』って言ったんだろうな。
あの数学の先生は事件のあと懲戒免職になった。
その先生の名字が偶然にも私と同じ"神宮寺"だったのも、私の親が暴力団関係者だったんじゃないかという疑惑の信用度を高めた。
疑惑は全校に知れわたり、その日から私は一人ぼっちになってしまった。
中学も近くの中学に進学したから状況は変わらず、それでも友達が欲しくて同じ中学の子と一緒にならないように志望校のレベルを下げて、私立の高校に進学した。
でも状況は変わらなかった。
公立校の受験に失敗して私立の高校になった同じ中学の子が、私の事をみんなに話したからだった。