『てめぇ 借りた金も返せんのか!! あぁ!?』
思い出すのはものすごい剣幕の怒号。
当時私は小学4年生で、校庭から聞こえてくるその声に体が震えるほど怯えていた。
いつもと変わらない日だった。
いつもの道を歩いて登校して、いつも一緒にいるクラスの友達と笑いあっていた。
3時間目の音楽の時間、突然校庭から複数の怒号が聞こえてきた。
2階の教室にまで聞こえてくるその声にクラスの子全員が怯えた。
後から聞いた話なんだけど、算数の先生が暴力団から大金を借りていて、幹部たちが借金取りに来ていたのだ。
クラスのみんなで2階から校庭を恐る恐る見下ろす。
私は愕然とした。
怖そうな見た目。その体には、色とりどりの大きな"刺青"があった …………………
『……… みおちゃんと同じだ……』
頭が真っ白になった。
友達の声が頭の中でぐるぐる回る。
『……ちっ 違うよっ!
あんな人たち家にいないもん!
お母さん、お父さんだって━━』
『でもみおちゃん、お父さんお母さんにあったことないんでしょ?!』
『っ、……それは………っ』